らくだの足あと 2歩目

目次
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盆踊り
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本のことを、少し
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絵本「バナナのらんとごん」進捗
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ラジオやSNSなど、伝達道具
盆踊り
今日は色川の盆踊り。例年雨が心配でやきもきするが、(去年は順延につぐ順延だった)今年はからりと晴れていて、風も少しだけ秋っぽくて気持ちがいい。歌に踊りにと慌ただしく準備。
今年は、あまりにも劣化してしまっていた大きな提灯を青年会の有志で、手先の器用な人々が直してくれていた。

とても手間がかかったに違いない、手作業で貼り直された提灯
盆踊り手ぬぐいお披露目会と合わせて、その提灯に(ちょっと大袈裟だが)、新しい命を吹き込む筆入れの儀が、らくだ舎裏の集荷場であった。筆を入れてくれたのは、地元の長老の一人と高校生の一人。どちらも書道がとても上手で白羽の矢がたったのだけど、何の迷いもなく大きな提灯に筆を走らせる姿を「なんともすごいなあ」とただただ見守った。
同時に感じたことがある。「世代交代ってこういうことなんだろうな」という感覚。
先に筆を入れたのは高校生。その思い切りの良さ、後先を考えない迷いのなさのようなもの(と書きながら、実際は日頃の書道教室の鍛錬によるものなんだろう)をとても眩しく感じた。

ほとんど下書きもせずに一発でこのクオリティ
こんなことを言うとおじさん色を自分で強めていく結果になるかもしれないが、「若いなあ」と揶揄でもはなく心からそう感じた。こうした思い切りの良さは、経験や先回りしてしまう思考に縛られない行動の自由さに由来するような気がして、この衝動が未来を切り開いていくんだろうなと。
若い人たちのやりたい気持ちや可能性を、現状の社会の構造や年長者の経験からくる石橋を叩くようなアドバイスによって、萎ませてはいけない。40歳を目前に、そんなことを感じた出来事だった。(Txt:ちばさとし)
本のことを、少し

ウスズミの果て/
最近仕入れて、読んでみて抜群に面白かった。
風の谷のナウシカ都市版とも言える要素があるし、あるいはAIやロボットと描きうる共生(というか人類はほとんど死に絶えているので、厳密に言えば共生ではないのだけれど)の未来、もテーマの一つと言えそう。
テーマのなかに、「永遠」という言葉もおそらく入ってくるのだけれど、淡々と「ある任務」をこなしていく主人公の姿を見て、なんというか勇気づけられたというか「心が整った」感じがした。
自分にとって意義があると思えることを淡々と続けていった先に、自分でも予期しない(というかできない)「ひらけた場所」に出ることもある。
まさか今自分が山里でこんな文章を書いていることなど想像もできなかったが、確実にこれまでの毎日の積み重ねの先に、この生活はある。
時に、目の前にある課題に取り組む意義が見出せない時もある。課題そのものに意味を感じない場合もあると思うけれど(それはやめた方がいいのかなと思うけれど)、その積み重ねによって描ける未来が想像できない、という点もあるような気がする。
全体に漂う雰囲気は、人類が滅亡した後の世界なので暗いも暗いのだけれど、主人公の淡々としたでも確実な行動が、どうなるかわからないけれど、日々を重ねていくことは決して無意味ではないし、その集積にもきっと意味があると思わせてくれる。
書き込みの緻密さが尋常ではなく、荒廃した架空の都市のリアリティが抜群にある。本当にありそうな、というとちょっと言い過ぎかもしれないが、まったくといっていいほど不自然さを感じず、(それはつまりとても作り込まれているということだろう)、たとえば『ダンジョン飯』なんかともまた違った方向性が、個人的にはとても好みだった。
詳しく書き出すと長くなり、またこれから読む人にとってもどうかな?と思うので、もしよければ読んでみてください。
刊行のペースがとてもゆったりとしていて、1冊刊行されるまでに半年から一年近くかかる場合もある模様。(7月に発売された3巻は、刊行までに約10ヶ月)そのスピード感も、現在の漫画を読むペースとしては逆にとてもありがたい。ポンポン出過ぎると、読者として先が読めるのがありがたい反面、そのスピードで作品を出し続けることの創作側の疲弊(適切にダウンサイジングできないまま、経済効率や合理性を前提にしすぎる慣性の法則を、僕はいいとは思わないので)に思いを馳せてしまうと、純粋に作品を楽しむことができなくなってしまう。作者、関わる人の心身の健康を前提にした、それでいて、経済的に持続可能なあり方を、大手出版社ほどもっともっと模索してほしいし、実践してほしい。
現在3巻まで刊行済みで、いまいちばん先が気になる漫画。(Txt:ちばさとし)
絵本「バナナのらんとごん」進捗
8/14 14:00現在で、支援総額891,300円。支援者数88人。
開始早々からたくさんの方が資金や応援のメッセージを寄せてくださり、ありがたい限りです。本当にありがとうございます。早いうちから反応くれることが、こんなにも勇気づけられることだったとは、主体者になって初めてわかった感覚です。
このスタートは、APLAがこれまで培ってきた多様な人との深い関係性、そして草の根広報が、一つまた一つと絵本の輪を広げてくれているのだと思います。その目には見えない活動体に勇気をもらっています。
絵本の内容も固まってきました。できるだけ事実に即した内容であると同時に、子どもたちにとって魅力のある絵本にする、その相反するような命題を、それぞれが知恵を絞りながら、さらに良い絵本になるよう作業を進めています。ご期待ください。
金額が大きいぶん、正直少しドキドキしています。もし、余裕がある方がいらっしゃれば、ぜひページをのぞいてみていただけたら。いいなと思ったら、周りの方に伝えてもらえるだけでも嬉しいです。
ラジオやSNSなど、伝達道具
●らくだ舎のきらくなラジオ(隔週水曜更新)
・Youtube www.youtube.com/@user-rp9ly6pi6z
●らくだ舎ウェブサイト https://rakudasha.com
●らくだ舎出帆室の本『二弐に2』 https://rakudasha.com/nininini/
「らくだのあしあと」は、だいたい週1回、水曜日にお送りしていく予定です。さまざまな状況で前後したりするかもしれませんが、よろしければお付き合いください。
読んで思ったことやこんなこと書いてみてほしい、などお気軽に、メールアドレスにどうぞ。
rakudasha.c@gmail.com
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