らくだの足あと12歩目 2025.3.14
目次
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ロバがきた1 引き取り前夜
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本のこと
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聞いた音楽(メールのみ表示)
ロバがきた1 引き取り前夜
出発
3月某日、ロバを引き取りに大阪へ向かう。
車は、荷台にロバを乗せて帰る想定のため、軽トラック。諸々のサポートで、Jさんがついてきてくれることに。前日に荷台にロバ運搬用のセットを準備。
当日の出発は9時過ぎ。軽トラで新宮の街を経由せず、滝本〜小口〜熊野川町と経由していく道を走り、帰りの下見も兼ねて終始下道の行き帰り同じルートを走ることに。色川から小口までの道は、狭く荒れている印象だったが、思っているほどではなかった。舗装し直してあるところもちらほらあって、どれくらいの利用があるのかわからないこんな道でも直してくれることに感謝しつつ、道の未来を思う。かつて色川の玄関口はこちらだった。車道がメインになるにつれ、使われることは激減しているけれど、いま小口では熊野古道を歩く外国の方が多くいて宿が足りないほどだとか。再びこの街道が本通りになり、昔のように色川で旅館が復活する日が来るのだろうか?などぼんやり考えながら車を走らせる。

お昼ご飯はじゃばら食堂。なんだかとてもお金のかかっている感じがする道の駅
前泊の松井山手で感じた空虚と
終始下道で走り、17時過ぎに松井山手の宿に到着。岩盤浴付きのスパのような体裁の宿で一泊する。清潔はエントランス、おしゃれなレストラン、待合室。入った部屋は一つひとつ美麗な感じがするものの、圧倒的に使いにくい。大きな二段ベットによって塞がれた部屋は、動線に人が通ることの想像がなくて、ゴミ箱にはハシゴで手が届かず、トイレとシャワーはなぜかガラス張り。異世界感。

宿から見えた風景
部屋の窓からは高速のインターチェンジ?が見える。高層マンションも多く、本当に馬鹿でかいケーズデンキがすぐ横にあって、横を通り過ぎるとクラクラする。飲食店が軒を連ねる商業施設は、半分外で木が植えられているなんかおしゃれでなんか自然を感じる体裁が整っている。でも、そこには人間がいないというか空虚な感じがして、「ゾンビが出そう」などと思ってしまう。僕だけなんだろうか?そのなかの1店で、韓国料理を食べる。結構混んでいて、30分ほど待つ。ぼんやりと店外を見ていると、部活帰りの高校生が一人で歩いていたりする。あの子は、この施設をどんなふうに見つめて、どんなふうに成長していくんだろうな。
甘かった酒と
韓国料理は美味しかった。サムギョプサル。野菜で肉を巻いて食べるのは、中年にも優しい。そして、ついに、韓国焼酎をショットグラスで飲む機会がやってきた。いつかやってみたいと思っていたことが、こんな形で叶うとはなんだか嬉しい。翌日の引き取りを前に、静かな高揚と不安を感じて飲む酒は甘かった。

キンパも。韓国ドラマで見ていたものものが目の前に並ぶ嬉しさ。
岩盤浴と温泉に入って眠りにつく。
本のこと
『話し足りなかった日』イ・ラン
がとても良かった。
いくつかハッとした言葉を挙げてみる。
私は自分の足で「情報」の価値を作りだし、自分の足で活動を証明して歩いているようだ。
私はいつだって自分の状態を話すよりほかない。私は私の体と精神を引きずってこの社会で動き、生きているのだから。
体の時間に終わりがあっても、言葉の時間は終わらないと信じている。
編集をしたり文章を書いたりしていくなかで、核に近づいていこうとすればするほどに、すでに提示されてきた言葉はそれこそ腐るほどあり、その堆く積み上げられた言葉の屍の上を歩いているだけなのでは?新しく生み出すことに意味なんてあるのかな?と、ときにわからなくなる。ふとした瞬間その問いが頭をよぎり、手が止まってしまう。
イ・ランの一人称は、この問いに答えているわけではないように思う。でも、その問いを認めてくれている気がした。そして、同じように一生懸命もがいている。
「これからの僕たちに、どんな話ができるだろうか?」
その問いに応えるように、僕は僕の人生を生きていきたい。
真っ赤な帯に書かれた折坂悠太、岡田育の言葉もとても良い。(この文章だけでも、この本を買う意味があると思う)
古本で手に入るから、といっとき新刊での仕入れをやめてしまっていたけれど、イ・ランの本は、常にこの世の中にあって欲しい本だと改めて思い、また頼もうと思う。
発信いろいろありまして
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(YouTubeのうまいリンク方法がわからない・・・)
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